4月10日金

今日も雨でとても寒かった・・・
今日は、あべのハルカス美術館
川喜多半泥子物語・・・その芸術的生涯---3/17〜5/10
をやっていたので、見に行きました。三重県の方ですが、大阪生まれです。

ご由緒正しいお家柄の方で、川喜多家代々に伝わる美術品の一つ、
秀吉が、小田原攻めの時に帯同していた利休が竹の花入れを作った
3種、(「園城寺」「尺八」「音曲」)のうちの一種をお持ちだったようです。
竹一重切花入 銘「音曲」伝千利休作。です。お家のご由来がわかりますね。
本人も竹花入れを沢山作っています。
自身も本阿弥光悦や乾山に憧れ
(売るための作品作りはしなかった芸術家だからだそうです。)
大先輩として崇めていたのだろうか・・・
彼らの芸術品を持ち、それも展示されていた。
本阿弥光悦(松韻)赤楽のような茶碗。乾山(絵皿)

半泥子は幼き頃に祖父、父を亡くし、おばあさんに育てられたらしい、
おばあさんは、一人っ子なので厳しく育てたらしく、
臨済宗の禅僧に教えを学ばせたり、
「褒める人は悪魔と思え。」という教えまでしたという。
俳句や陶芸、茶にはまじめなまでの打ち込みよう。
それでも、ユーモアのある人間性が垣間見え、
絵画、歌や川柳、書などにはいくつかユーモアがたくさん散らばっていて
好ましい。
銀行の頭取まで勤めてあげた真面目な人間性でありながら、
愛がうかがえるユーモアが人を惹きつける。
「大夢出門」--- TIME IS MONEY
「波和遊」--- How are you という書からはユーモアが・・・。
優勝は「幽照」と書き禅の教えもかいま見るよう。そして真髄をついている・・・
・ろくろ引く土に声あり水ぬるむ・・・半泥子
陶芸をしているとこの 土に声があるというのがわかるんですよねぇ・・
・初冬のともしに光る古柱・・・ 半泥子
見事な桃尻花活けに椿が一本描かれた墨絵にこの句が書いてあり、
即興で絵を書いては、句をつけていたという・・・。
絵画も味があり巧い、陶芸にはちょっといがんだ味がある・・・
半泥子は陶芸も俳句も夢中になれるのがいいのだそうだ・・・
久しぶりに、前評判以上に感動し感動を覚える展示であった・・・。
近代茶陶をも牽引しその一人となる、魅力溢るる人に思えた。
「川喜多半泥子 無茶の芸」千早耿一郎・龍泉寺由佳 著の本を買った。
読むとまた魅力が増した、読みやすく面白い。読み終えて、
改めて展示を再見したくなり、石水博物館へ行ってみたくなった・・・。
そして、人は時にユーモアのある余裕がないとダメだなぁ・・・とも思えた。
人柄が先でそれが作品に出ていて魅力的にしているふうにも見えてしまう。